今回は宮城峡へ行ってきました。
ニッカ第二の蒸留所、宮城峡蒸溜所
ニッカウヰスキーには余市蒸留所とここ宮城峡蒸溜所があり、モルトウイスキーだけでなくカフェ式連続蒸留機を使用してグレーンウイスキーやウォッカ、ジン等も作っています(もちろんモルトもある)。また、ポットスチルは余市のストレートネックとは異なりふくらみがあるタイプ(華やかな香りを狙っている)、ポットスチルの加熱にはスチーム式(余市は石炭による直火)と、余市とは対照的なつくり方をしているのが特徴です。
なお、蒸溜所のそばには「新川(ニッカワ)」が流れているけど、これはたまたまだそうな。
ちょっとおもしろかったのは、宮城峡蒸溜所では煉瓦が普通よりサイズが大きいけど、これは内部が空洞になっており、火災除けの意味があるとガイド談。
竹鶴政孝氏は宮城峡蒸溜所建設時には
・木をできるだけ切らない
・煉瓦は赤(自然に映えるように)
・起伏はそのまま
・電線は地下埋設にする
ということを指示したそうです。
もともと麦を貯蔵していたそうな。現在はよそから買っているため不使用。
カフェ式蒸留器はこの中にあります。
しめ縄は竹鶴氏がもともと広島の造り酒屋であることに由来するそうです。
貯蔵庫。
蒸留所の見学
蒸溜所の見学は基本的に事前予約が必要ですが、予約がなくても入れる程度の混み具合のため、繁忙期でなければそれほど心配する必要はないかもしれません(有料セミナー除く)。また、インターネットで予約をしていても、前の回が空いていればそちらに回されます。
余市とは異なり、場内を自由に回ることはできず、必ずガイドツアーに参加する形式です(ショップだけの入場は可能)。
テイスティングセミナーやブレンド体験等、別途プログラムもあるため、そういった体験をしたい場合は事前予約が必要になります(人気なのですぐ埋まってしまいます)。
有料・無料試飲
サントリー系の蒸留所とは異なり、基本的には試飲も無料。別途有料試飲も用意されていますが、全体的に安めの価格に設定されているのがうれしいところです。
無料の試飲では「宮城峡NA」「スーパーニッカ」「アップルワイン」の3種類が飲めました。
また、有料試飲の方には2019年にバー等向けに発売された宮城峡2019リミテッドエディション(30万円)が10mL7000円、シングルカスク宮城峡1989が2000円等、ここでしか(まともなお値段では)飲めない品もあり、ウイスキーが好きならぜひとも訪れたいところです。
宮城峡2019リミテッドエディション。
シングルカスク。
おいしかったです。
もちろん、通常ラインナップのものも飲むことができます。
アクセス
作並駅は仙山線の駅で、1時間に1本程度が停車します。仙台駅から山形行き列車を利用してください。
作並駅からは土休日は送迎バスがあります。詳しくはウェブサイトで最新の情報を確認してください。列車に合わせたダイヤになっていますが、駅到着時にトイレへ入っていると置いていかれます。
路線バスは蒸留所の中には入りませんが、近くには停まるため、送迎がない日に訪問する場合は仙台駅からの路線バスも使うといいでしょう。